遠賀の赤芋を受け取った黒瀬勉は、すぐに素材の良さに気づいたという。しかも、いままでに扱ったどの赤芋とも違う。新しい焼酎が生まれる予感がしたという。芋焼酎は黒麹で仕込むと濃厚な味わいと豊かな香りに仕上がる。しかし、素材に合わせて黒麹の中でもランクの高い黒麹ゴールド菌を使うことになった。
仕込みは、創業当時から使われている和がめを用いた壺仕込み。この道五十五年の黒瀬勉の技が、トロリとした濃密な甘さと旨さを持ち芳醇な香りと深い味わいへと育て上げていく。
新鮮な遠賀の赤芋だけが持つ甘味と香り、黒麹ゴールドとれんげ・菜の花米だから出せる濃厚さ。原酒を口に含んだときの驚きと喜びは月日を経た今でも忘れられないと黒瀬はいう。黒瀬勉自慢の逸品がまた誕生したのだった。